杉本家の年中行事
杉本家住宅で行なわれている行事の中には、公開されているものもあります。公開されているものに関しましては、
のアイコンを表示しています。
催しのご案内ページで紹介していますので、ご覧ください。
春を迎えた京町家 杉本家の庭には、椿、水仙、ヒヤシンスなどの花が咲きほころびます。
京都では、ちょうど桜が咲く頃の4月上旬にお雛様を飾ります。
雛の納められた箱の蔵からの運び出し、飾り付けにはかなり手間がかかりますが、春に欠かせない女性にとっては、特に楽しみな行事です。
(雛飾りの公開は奇数年に開催)
4月3日(旧暦:3月3日) 桃の節句 

杉本家の桃の節句の様子。
京都では旧暦3月3日にあたるとして、この日に桃の節句を祝うお家が最も多いです。
雛人形、雛の道具類が収められているのは庭の北西にある「中蔵」と称している土蔵です。
杉本家に伝わる内裏雛は2対あって、ひとつは文政8年新調の雛、ひとつは明治27年、祖々母が輿入れの際に誂えた有職雛(ゆうそくびな)です。
町家の夏への準備は、建具を替えることから始めます。長年使い込まれた葭戸(よしど)は黒褐色を帯び、日差しをさえぎって室内に陰翳をもたらします。障子と襖の和紙がもたらす丸みをもった白い光の世界から一変します。葭の細い縦の陰からみる坪庭の涼やかさは、蒸し暑い京の家屋にあって、より際だちます。
6月1日 室礼
涼を得るために、多くのふすまや障子が取り払われ、簾戸(すど)や簾(すだれ)といった夏用の建具に代えられ、畳には網代(あじろ)が敷かれます。簾はその実用性だけではなく、前栽を透かすことで視覚的に涼感を得るという、日本古来からの 先人の知恵なのです。
7月14〜16日 祇園祭 

多種多彩の屏風が立ち並ぶ。
京町家 杉本家がある矢田町では、鉾9基、山24基の内、伯牙山(はくがやま)という舁山(かきやま)を出します。鉾と山には、その名前の由来となった日本神話、謡曲、中国史話などにちなんだ人形、すなわち御神体が飾られます。伯牙山は、中国の周時代、琴の名人であった伯牙が自分の琴を愛聴してくれた親友鐘子期(しょうしき)の死を嘆き、琴の玄を断ったという故事からとっていて、琴めがけて斧を振りおろそうとする伯牙が御神体です。

外も祇園祭の飾りで賑やかに。
伯牙山のお飾り場として、毎年、通りに面した部屋「店の間」に祭りに使われる懸装品(けそうひん)が飾られ、道行く人の目を楽しませてくれます。
草の陰から、ジーという長く引っ張るような螻蛄(けら)、フィリリリ…と草雲雀、リー、リーと蟋蟀(こおろぎ)など、耳を澄ますと幾種もの秋の虫の音が聞き分けられる。そんな秋の風情が戦前まであった土蔵の跡地に草木を配した前庭から見出せます。この庭のおかげで、部屋を飾る花には一年中事欠きません。
9月 室礼

手間をかけて、丁寧に貼っていく。
これが暮しのぬくもり。
9月のお彼岸の頃には、夏用の建具から障子、襖(ふすま)へと再び建具替えを行い、10月下旬頃に火鉢を出すなど冬支度が始められます。
最近はアイロンの熱で桟に紙が密着する手間いらずの障子紙があるらしいですが、やはり、巻紙になった美濃紙を広げながら、桟の幅に折り返したり、寸法を切り整えたり、糊の固さを調整したりと手間をかけることが、暮らしの中にぬくもりを生むのではないかと思います。
師走。13日の「事始め」を待って、京の市場には正月料理の材料が並べられ、正月の準備が進められます。25日頃には1年の埃を落とす大掃除を行ない、あわただしく大晦日を迎えます。
12月31日 大晦日
正月料理の支度を済ませ、最後に走り庭を水で流し掃除を仕上げます。しんと冷えた空気には、もうそこまでお正月がきていることの神聖な気配が宿っているようです。
お正月

台所で重詰の準備。
全て昔のしきたり通りにとはいきませんが、お仏壇の御荘厳は、『歳中覚』の正月の頁に記された通りに準備します。
御荘厳されたお仏壇の前に座し、冷たく凛とした空気のなかで目を閉じているとき、先祖の築いた「家」の重みを改めて体の奥に感じます。

お雑煮には家紋がついたお椀を使用。
京都では、お正月のお雑煮は白味噌雑煮をいただきます。
またお煮しめなどのお正月料理のことは、お重に詰めることから「重詰め」といい、おせち料理とはあまりいいませんでした。














