国の文化審議会から重要文化財指定の答申を受けた「杉本家住宅」の継承・保存

京町家 杉本家住宅は京都の中心部にありながら、江戸以来の大店の構えをよく伝え、表屋造りによる大規模な町家構成の典型を示しており、 建造物全体にわたって江戸時代に熟成された京大工の技量が遺憾なく発揮され、技術性・意匠性ともに優れたものであります。

平成2年2月、この建物が元治の大火に焼け残った土蔵3棟と合わせて、京都市指定有形文化財になりましたのは、建築的・文化的価値が高く評価されたからでありました。そして、平成22年4月に国の文化審議会から重要文化財指定の答申を受けました。

祇園祭の景観は、有形無形の文化財として広く知られております。

祇園祭の町家の景観は国外にも知られる


祇園祭時の杉本家住宅の店の間。

京町家 杉本家住宅の所在する矢田町は、祇園祭の山鉾町に属し、伯牙山保存会(同町)で「伯牙山」を維持保存しております。

明和以降、杉本家は家持ち衆の中心の家として「伯牙山」に意を注ぎ、伝統の祭りを支えてきました。殊に戦後は、 矢田町の町会所の代わりとして、店舗棟が「伯牙山」のお飾り所に使用され、建物は祇園祭にもまた欠かせぬ役割を占めるにいたり、この京町家の祭の景観は有形無形の文化財として、広く国外にも知られるところとなってまいりました。


江戸から明治の古文書、資料に高い評価


奈良屋創業記念日の床の間。
初代から縁の古文書が並ぶ。

京町家 杉本家には、古文書のほか、門徒の年中行事や商家の冠婚葬祭の機会に江戸時代より用いられてきた什器、祭具がよく保存され、 江戸から明治にかけての民俗資料、工芸資料として高い評価に浴しております。

これらの文化遺産は、杉本家および株式会社奈良屋によって守り伝えられて参りましたが、「公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会」は、 この文化遺産の総体を崩壊、散佚から防ぎ、綜合的かつ恒久的に継承保存するべく、平成4年2月に設立されました。